VOL.6(2000年8月14日掲載)

●遠征行きました!
プロ野球に遠征はつきもの。マイナーリーグもちろん同じです。1A、2Aレベルは各地域(といっても南部とか北東部とか何州にもまたがっています)で構成されているのでバスを使います。テキサスリーグ(2A、テキサス州で構成)はテキサス州があまりに広いので飛行機を使うようです。3Aもほぼ全米を半分に分けて構成(2リーグある)されているので飛行機です。バスといっても日本でいえば東京から青森ほどの距離を移動します。そして感心するのはその移動距離だけでなく、凄まじい日程です。試合はほぼ6ヶ月間、毎日ありますから。

HICKORYの選手が使っていたバス。運転手は市内に住む野球好きのおじちゃんでした。
例えば次の試合が遠い場所の時には、ホームゲーム3連戦が終わってシャワーを浴びるとすぐ移動します。だいたい夜中12時頃に出発するでしょうか。バスの回りにはファンや家族、友達、恋人など結構人がいます。追っかけの女の子もいますよ。映画「さよならゲーム」のシーンはまさにそれです。翌朝到着するとそのままモーテルで睡眠。昼過ぎに起床して、また球場へ向かい練習とゲームです。シーズン中6ヶ月間これの連続。

 こんなこともありました。地元ホームに遠征先から明け方帰ってきた日のことです。昼からチームのイベントで施設に入っている子供達とのソフトボール大会がありました。当然選手はクタクタに疲れているはずなのに、彼等は嫌な顔もせず(本当に!)子供達と一緒に遊んでいました。一緒にユニホームを着てゲームをして、ランチを食べて。夜のゲームにも子供達は招待されるというスケジュールです。話が少しズレましたが、凄いと思いませんか?
チームが遠征に出る時はたまに一緒にバスに乗って同行させてもらいました。フロントスタッフと選手は仕事が別なので実際にそんなに接点はないのですが、僕の場合特別に練習を手伝ったり、遠征にも行くことが出来ました。試合中はダグアウトにも入れてもらいました。初めての遠征はHICKORYに来て3日目のことでした。まだ選手との交流もままならないという事もあり移動のバスの中では一番前にポツンと座っていた僕も、日本に帰る頃には後ろの方で選手と一緒に座っていました。移動中はカードでゲーム(賭け)をしたり、音楽を聞いてリラックスしたりビデオを見たりと様々です。基本的に寝ている選手が多いですね。HICKORYは監督がやたら明るくて、一緒になって選手達とカードで盛り上がっていました。

バスを降りてクラブハウスに向かう選手達。服装は短パンにTシャツがお決まり。

 遠征に一緒に行けたことはすごくラッキーだったと思います。
遠征での練習も見れましたし、トレーニング、トレーナーのケア等、移動から試合への取り組み方、またそこに各メジャー球団の育成方針やスカウティングの違い等も見えた気がします。メジャーの遠征での移動は"天国"と聞きます。彼等のうち何人かはそれを経験するのかなぁと思うことも、また僕の楽しみなのです。
マイナーリーグ球団職員体験記
【VOL.1 はじめに】
【VOL.2 渡米までの過程など】
【VOL.3 感動の初日(後半)】
【VOL.4 現地での生活】
【VOL.5 オールスターゲーム】
【VOL.6 遠征行きました!】
【VOL.7 プロモーション その1】
【VOL.8 プロモーション その2】

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