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レンズのむこうは宝島

【Part.62】
  2月に入って日が少し長くなった気がします。暖かい日だまりでは梅がほころんでいるところも。春の兆しも徐々に見えてきたような…。
 とは言うものの、2月は一年で一番寒い月。太平洋側のドカ雪なんてのも2月がほとんどですよね。そこで、本格的な「春の写真どき」が待ち遠しいこの時期に、ちょっと変な癖をつけておきませんか。
 いえいえ、変な癖と言ったって決して怪しいモノではありません。変な癖とは、つまり「写真癖」のこと。写真癖なんて聞いたことないと思いますが。それもそのはず、私がひねりだした新しい言葉です。
 以前、「車の脇見運転は危険でいけないけれど、脇見写真は新しい発見がいっぱいの超お勧め写真術」というお話をしましたが、今回はその第二弾みたいなもの。陽気あふれる春の散歩写真を前にして写真癖を付けておこうというわけです。

カメラアイコン 写真癖の第一歩は「シンプル写真」から
  まずは、特別な被写体にこだわるのではなく、身近なモノをシンプルに構成したオシャレ写真に挑戦してみましょう。
 デジカメだとすぐに画像の確認が出来るので自分の写真オシャレ度もチェック出来ますよ。
「シンプル is ベスト」というのは、ファッションであれ住まいであれ、あらゆるものに通用する言葉で、もちろん写真にもぴったりハマる言葉です。
 ただ、写真にしろデザインにしろ、シンプルになればなるほど構成が難しいと言われます。
 主題がはっきりしていれば飾りはむしろ邪魔なのですが、ついつい華やかさを求めて過剰なデコレーションが欲しくなるんですね。
 そこで難しいと言われるシンプル構成写真ー井石流のシンプル写真のコツを少し紹介いたしましょう。

カメラアイコン 大胆に周辺部分をカットしてみよう
 「被写体の一部分だけを切り取ることで、目障りなところがなくなり、切り取った部分が目立つ」という簡単な法則を、まず頭に入れておきましょう。
 この法則、風景写真などで大いに生きてきますが、風景に限らずほとんどの被写体に使えます。部分をアップすることで結果的にシンプルになるわけです。
 気に入った部分をとにかくズームアップ! ただ、このときちょっとしたコツがあります。
 望遠系のレンズで撮るときは、あまり「レンズの絞りを絞らずに撮る」というのがそれ。
 なぜなら絞りは、絞り込むほど視写界深度が深くなって、近くも遠くもはっきり写るようになります。これを逆手にとって、絞りを開けるようにすれば手前や背景がボケ、より主題がハッキリするというわけですね。周辺をぼんやりと柔らかく表現することで写真がオシャレに見えるんです。
 とりあえず普通の明るさ(自動)で、露出補正などせずに撮ってみましょう。自分のイメージに合う明るさや色は、慣れるまではパソコンで調整したほうがよいかもしれません。デジカメは後からイメージに合わせて明るさや色調をかなり補正することが可能。これもデジカメ写真の大きい特徴のひとつです。

カメラアイコン 「斜める」がシンプル写真をバックアップ
  本来、カメラの構え方は水平、垂直が基本ですが、この際それは無視して、わざと斜めに構えて撮ってみましょう。
 実はこの「斜めった写真」、構図がバラバラになったおかげで、結果的にシンプルに見えるんです。大胆なカットに加え、斜めのフレーミングでよりシンプルさが増すというわけ。
 ただし、この斜め写真にはちょっとだけ注意が必要。
 縦も横もわからない斜め写真は、見る側に不快感を与えてしまいます。撮った本人が「?」のときは見る側はもっと「??」。それではシンプルではなくチンプルになってしまいますよね。
 そんな弱点が露呈していないかどうか画像を見ながらチェックしなければいけません。
 というわけで違和感の与えない程度に斜めって、シンプルをバックアップしましょう。くれぐれも度が過ぎないように。

 シンプルでオシャレな写真、ハマれば癖になること請け合い。
 オリジナルのポストカードや、Eメールの背景、パソコンのデスクトップの壁紙に使うなんてのも良いかもしれませんね。
「写真をもっと自由に」を合い言葉に、シンプル写真を撮りまくって写真癖をつけ、本格的な春を待つことにいたしましょう。


↑犬の貯金箱
貯金箱って何となく夢がありませんか。そんな夢心地の感じを出すため絞りは開放。色調はパソコンで調整しました。コインは外国製の方がもっと雰囲気が良いかもしれませんね。


↑色鉛筆
百円ショップで買った色鉛筆を並べ、後ろをセロテープで固定し、両面テープで窓に貼り付けて撮影。なんとなく虹の感じにしたかったので、絞りは開放(一番開いた状態)で柔らかく撮ってみました。何気ない文具も可愛い被写体になるんですよ。


↑電話
これ、電話って感じしますね。TVではおなじみの黒電話ですが、我が家ではまだまだ現役。デジタル音に慣れてしまった今、ベルの音はむしろ新鮮。英字新聞の上でレトロっぽく撮ってみました。斜めった縦位置も大胆にカットすることで動きがでて雰囲気が増すんです。

↑おもちゃの恐竜
おもちゃの恐竜を枯れかかった鉢植えに入れて撮ってみました。小さいおもちゃも低いアングルから撮ると意外と迫力が出ますね。最近流行のズームマクロでも十分撮れますのでいろいろ試すと面白いモノが撮れるかもしれません。