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“ギャグマニア〜思わずにんまり〜”
アメリカ映画でさりげなく、
アメリカンTVドラマで堂々と、
時には「さぁ、どうだ、笑え!」とホットに、
またある時には「わかるかい?」とクールに、
観る者のハートをくすぐるギャグの数々。
超有名なものから、見逃しがちなものまで、
まるで巨大スーパーで、どでかいカゴに
どんどんと商品を放り込むように、
ためらいなくコレクションしていきます。



♯1『同じのちょうだい』
  (from“恋人たちの予感"1989)

こんな私なんかでも、映画とか脚本関連の学校で「ちょっと何かしゃべってもらえませんか?」と
依頼されることがありまして。
で、理論とか全然わからんもんで、とにかく、好きな映画のDVDを何本か持参して、

その中のお気に入りのシーンを見せながら「ここ、シャレてるやろ?どう?」とか
「ここんところは、ちみたちにはわからんかも知れんが、アメリカ社会における、
何ちゅうか、非常に差別的な意味合いがやねぇ、、、うぉっほん。」とたらたらと
しゃべりまくって、アッという間に「まぁ、わかる人にはわかる、ということで、ほな、
おしまい!」と閉めてしまうんですけど………。
そういう時に、必ず話すのが“恋人たちの予感"(原題は『サリーがハリーに会った時』)の

ワンシーンなんですね。
とあるダイナーで、ビリー・クリスタルが演じるハリーが、メグ・ライアン扮するサリーに

「君なんか、どうせ不感症なんだろう」みたいなことを言うもんで、サリーはカツン!と来て
「私だって感じるっちゅうねん!」と一人でアッハンウッフンし始めるわけです。
(この“アッハンウッフン"という表現は相当に日本的でありまして、アメリカでは

“アグッウンアッ、カモ、、、カモン、、、オーマイ"ってな感じの言葉になります。)
で、そんなサリーを、店にいる人たちが好奇の目でじろじろと注目するんですけど、

ここで見逃してはいけないのが、きっちりと一人のおばさんのワンショットアップが
絶妙の長さで挟み込まれているところです。
そのあと、しばらくして、サリーの“一人オルガスムス"が終わり、さっきのおばさんの

決めシーン。彼女が店員に、こう言うんですね。
「私にも彼女と同じのを。」
少し考えて、思わずにんまり。
これは日本ではまずありえません。誰であれ、そこそこの中年女優が、セックスがらみの

ギャグを言うとは考えられませんからね。
でも、全然いやらしくなくて、むしろ、すっきりさわやか。
脚本はノーラ・エフロン。女性です。
「以前に見た」という人は多いと思いますけど、このシーンだけでも、あらためて見る価値あります。

恋人たちの予感 (1989)
WHEN HARRY MET SALLY...
96分/アメリカ/コメディ、ロマンス

監 督 ロブ・ライナー Rob Reiner
製 作 アンドリュー・シェインマン Andrew Scheinman
ロブ・ライナー Rob Reiner
脚 本 ノーラ・エフロン Nora Ephron
撮 影 バリー・ソネンフェルド Barry Sonnenfeld
音 楽 ハリー・コニック・Jr. Harry Connick Jr.


出 演 ビリー・クリスタル Billy Crystal ハリー・バーンズ
メグ・ライアン Meg Ryan サリー・オルブライト
キャリー・フィッシャー Carrie Fisher
ブルーノ・カービイ Bruno Kirby
スティーヴン・フォード Steven Ford
リサ・ジェーン・パースキー Lisa Jane Persky
ミッシェル・ニカストロ
エステル・ライナー Estelle Reiner
ハーレイ・ジェーン・コザック Harley Jane Kozak

文・写真/東野hoboひろあき