
コラムを書いてくださる望月忠宏さん
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VOL.4 (JUNE 19th.2000)
Tシャツマニア
GoYard Clubの皆さん、こんにちは。
いよいよ梅雨に入ってしまいました。うちのスタッフはバイクやBMXで通勤しているものが多いので、この時期のうっとおしさはたまりません。なにより、お客様の足にも影響があります。さすがに雨の中、わざわざ買い物にでるのはおっくうですよね。が、皆さんにお知らせしたいのは、来るべき夏に向けて、多くのショップは今が最もTシャツの充実している時期であるということです。さあ、このうっとおしさを吹き飛ばすカッコイイTシャツを探しに出かけましょう。 |
皆さんはアメリカと聞いてさまざまなキーワードを思い付くと思いますが、私の場合その中にTシャツが入ります。Tシャツで有名なメーカーはアメリカの会社がほとんどですし、さらには「Made in U.S.A.」をウリにしているものが多く、タグにきっちり目立つように書いてあります。うちのスタッフは、グラフィックが良くても、ボディーのTシャツがアメリカ製でなければ、その魅力は半減してガッカリしてしまいます。やみくもにアメリカ製といっているわけではなく、アメリカはメーカーが多いので他社に負けないよう生地や縫製がしっかりしていますし、なにより手触りや洗って着込んでいくほどにでる味が違います。そのTシャツのルーツですが、意外なことにフランスにあるといわれています。
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時は第一次世界大戦までさかのぼり、アメリカは連合軍のフランスへ多くの兵士を送り込んでいました。そこでフランス兵の着ていた半袖の木綿肌着に目をつけたのです。というのも、当時のアメリカの肌着は長袖やツナギの防寒的役割のもので、フランス兵の木綿の半袖シャツは涼し気にうつったそうです。そのシャツはフランス国内ではまだ手作りで、手軽に購入できるものではありませんでした。終戦を機にアメリカ兵が母国にそのシャツを持ち帰り、1930年代に工場での安定した生産が始まったのです。スポーツウェアの老舗、チャンピオンはその30年代に、他社に先駆けてシャツに文字やナンバーをプリントしています。Tシャツやスウェットシャツの生地や縫製への探究に飽き足らず、プリントの技術でも特許を取得しているチャンピオン社のスポーツウェアに対する愛着が今もなお、多くのチャンピオンファンを生み出している理由でしょう。
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アメリカ文化の一部、ポップアート作家では最もTシャツにもあった絵を描いたのがK.ヘリングでは。環境保護団体グリーンピースのゴミ輸出反対キャンペーン用のTシャツ。下2枚はどちらもアメリカ生まれのねずみ。どちらもポップ。でも、マウスとラットではこんなに違いが。 |
そして40年代、第二次世界大戦において、アメリカ軍は兵士にTシャツを支給し、大量生産の歴史が始まりました。この時点ではTシャツはまだ肌着、インナーウェアです。アウターウェアとしての歴史は51年にアメリカで製作・公開された映画「欲望という名の電車」でマーロン・ブランドが演じたアウトローの着ていたTシャツの影響が大きいようです。ただのTシャツなんですが、この映画はファッション方面の資料を読んでも、映画方面の資料を読んでもTシャツに関する記述がでてくるほど、強いインパクトを与えました。ジーンズ、革ジャンに先駆けて社会へ衝撃をあたえたアウトローのシンボルとなっていたのです。ちなみにアメリカの映画専門誌が51年の人気映画第5位にランクしています。その後もジェームス・ディーン等に影響を受けた若者によってTシャツは市民権を得ていくのですが、ヒッピー達が反戦のメッセージを書いたりプリントしたりしたTシャツも、戦争をきっかけに生まれたのを思うと複雑な心境になります。Tシャツは「洗って、着て」のくり返しで、他の洋服に比べたらその寿命は短く消耗品といえます。それだけに、新品・中古を問わず、その時代の空気や思いをギュッと凝縮したTシャツを見つけた時の喜びはひとしおなのです。
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