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プロフィール
― MLB観戦歴 ― 『Vol.1』
文・写真/藤原ヒロユキ
メジャーリーグ
フロリダ・マーリンズ
(フロリダ州マイアミ)
フロリダ・マーリンズの
公式サイトはこちら
www.flamarlins.com/
1993.球春。
4月5日。マイアミ。
フロリダ・マーリンズ。オープニングデー。
明け方、強い雨が降った。
しかし、不思議なほど穏やかな気持ちだった。
雨は必ずやむ。そんな確信があった。根拠はない。しかし、確信があった。
激しい雨音に起こされた僕は、シーツを引き寄せ再び眠りについた。
雨は必ずやむ。
信じて疑わなかった。不思議なほど穏やかな気持ちだった。
ジョー・ロビー・スタジアムのスコアボード。マーリンズのマークもこの日がお披露目。
再び目を覚ましたとき、フロリダの空は高く晴れ上がっていた。とても密度の高い、硬質なブルーの空だ。
明け方の雨は夢だったのか?
モーテルの窓から海が見える。フロリダの海は青くない。青よりも緑に近い。エメラルドグリーンにセルリアンブルーを少し加えた色。さらにアイボリー・ホワイトをチョビっと混ぜ込む必要がある。フロリダの海の色は複雑である。
しかし、彼らはシンプルだ。複雑な海の色を持つ町にやってきた新しいチーム。
彼らはいたってシンプルな連中である。
ボールを投げ、ボールを打ち、ボールを捕る。
フロリダ・マーリンズ・ベースボールクラブ! MLB! メジャーリーグベースボールの選手達だ!
おじさんが手にしているのはオープニングデーのチケット。美しさにも注目して欲しい。
ジョー・ロビー・スタジアムのゲートでプレス・パスを受け取る。
ロッカールームからつながる通路を抜けるとそこはもうダグアウト。ダグアウトから空を見上げる。雲一つない。文字通りの快晴である。
ダグアウトからフィールドへ。ステップをあがる。天然芝が広がっている。ファールテリトリーの芝にそっと足を踏み入れる。軟らかい。メジャーリーグの芝だ。
フロリダ・マーリンズのダッグアウト風景。
フィールドでは練習着のメジャーリーガーが練習をしている。見覚えのある選手がいた。デストラーデだ。ダグアウトにはパンチョ・伊東氏の姿も見える。ナックルボーラー、ホフ投手もいる。去年ルイビル・レッドバードで見たチャック・カーがメジャー入りしていた。
オープニング・セレモニーで仲間から祝福を受けるデストラーデ。
スタジアムの外には開門を待つファンが並んでいる。派手な記念チケットを握りしめ、マーリンズのシャツに身を包み、球場を見上げている。駐車場はすでにいっぱいだ。ボルテージは上がりっぱなし。スーベニアショップは黒山の人だかりである。負けじとその人だかりににじり込み、店頭へ。限定物の記念ピンを購入した。
そうこうするうちに開門。歴史の門が開かれた。
ゲートオープンを待つ観客。みんなマーリンズ・グッズで身を固めている。
セレモニーが始まる。
ドジャースに続き、マーリンズの選手が呼び出される。観客から歓声がおこる。
3塁線上に並んだドジャースのメンバー達からも拍手がおこる。マイアミにメジャーチームがやって来た歴史的瞬間である。
すべての選手並びにスタッフがライン上に並んだあとアメリカ国歌「The Star Spangled Banner」斉唱。花火が揚がる。
開幕記念ピン限定10000分の1423番を入手。
始球式はジョー・ディマジオだ。往年の名選手が投じる第一球に場内は割れんばかりの歓声。歴史に残る一日には歴史に残る名選手。ヘミングウェイの「老人と海」にも登場したディマジオがカジキマグロのニックネームを持つチームに第一球を投じた。
1993年4月5日。幸運なことに、僕はマイアミにいた。ジョー・ロビー・スタジアムにいた。ボールゲームが始まる。明け方に強い雨が降ったことなどすっかり忘れていた。
【end】
始球式にあらわれたジョー・ディマジオ。ダンディーだった。
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